舞台「
ケンジの森のバス停」の稽古休みに、鎌倉へ出かけました。
メネラオス役で使用したサングラスをかけながら、波打ち際で海と戯れたかったのです。
東京を出たときは曇っていたので、これは遊ぶのに良いやと思っていたら
鎌倉に着いた頃には雲は消えうせ、強烈な日差しで海がギラギラ輝いてました。
サングラスがあるから平気!…と思ったけど、肌が痛すぎて駄目でした。
もっと遅くに家を出れば良かった…。
ま、生しらす丼を食べたり、海岸そばの日陰に腰掛けて爆睡したり、
ハンバーガーショップに入ったりするうち、日も傾いて来まして。
30分ほど、足を波で濡らして、無事、目的達成。
帰り支度をし、いったんは鎌倉駅に向かって歩き始めたのですが、
ふと、ただ帰ったらつまらないと思い、逗子駅まで、歩きで山越えしてみることにしました。
都内ではなかなか聞くことの出来ない ひぐらし の大合唱を聞きながら、
人気の少ない山道を歩いていると、とうとう人気のまったくない、暗~い公園に出ました。
そこは雨と泥で薄汚れた、ギリシャ風の白い石段に囲まれた公園。
植木の枝は伸び放題、入り口で蜘蛛の巣に頭からつっこむし、
黄昏時なことも相まって、ちょっと気味が悪くなってきたので、立ち去ろうとしたら…
公園の奥から、一匹の猫が走ってきました。
僕の足元を一周した後、公園の奥へ誘う様なしぐさをするもんだから、
あまり猫に好かれた経験がないこともあって、ホイホイ着いていくと…
次から次へと、猫の仲間が出てくる出てくる!
最終的に6匹まで増えて、にゃーにゃー鳴かれました。
夢みたい。
美味しいものを何も持ってなかったことが悔やまれます。
その後、逗子駅から東京行きの電車に乗り込み、スマホの地図で
さっきの不思議な公園を探したら、ありました。
「
イリオス公園」だって。
…は?
イリオスって、トロイアの別名じゃん!Σ(゚Д゚ )
と、言うわけで、ギリシャ劇に出演して、トロイアを攻め落とした数日後に、
小道具の一つを身に着けながら、トロイアの名をもつ公園に行き着いて、
6匹の猫の歓迎を受けた次第。
もしかしたら、僕が「木馬」に見えたのかな?
一番大きい親猫っぽいやつは、ありゃ「ヘカベ」だな。