舞台「
卒塔婆小町」、無事に千秋楽を迎えることが出来ました。
警官役――という、出番こそ少ないものの、このお芝居を締めくくる
大事な役をいただきまして。
この芝居の主演の、小町と詩人が、何を成してどんな結末を迎えるかで
自分の役が、出さなきゃならない雰囲気も変わってくるものですからね、
例えるなら、外食をしたとして、最後にドリンクを注文することになって、
食べた物が脂っこかったから、ドリンクはウーロン茶にしようかな、とか
冷たい蕎麦だったから、温かいお茶がいいな、とか、そんな感じ。
稽古中は、演出家の小笠原響さんと、色々な警官像を作っては試し、
また作っては試し、を繰り返しました。
こんなに稽古初日の面影の残らなかった役は、初めてかも知れません。
信用出来る演出家と、二人三脚で役を作る楽しさ、存分に味わいました。
そんな、沢山悩んで、沢山戦った、この卒塔婆小町。
千秋楽の日の朝にこんなことがありました。
楽屋には、小屋入りした日からずっと、三島さんの写真が貼ってあったのですが、
小沢寿美恵さんが、そこへ僕と神野崇さんを呼びまして。
そして、僕と神野さんの間に入って、写真に向かい――
「由紀夫ちゃん、やっと納得の行く卒塔婆小町が出来たよ」
と仰ったのです。
この舞台に参加できたことを、心から誇らしく思えた瞬間でした。
またご一緒出来る機会が来ると信じて、もっと腕を磨こうと決意を新たにしました。
さ、休む間もなく
次の公演に合流です!