子供の遊びって、基本、口伝ですから、地域によって様々な派生を生みますね。
「缶蹴り」一つ取っても、僕の育った地域では「ケント」という名の遊びとして
伝わっていました。
電柱をケント柱と呼び、それを空き缶の代わりに見立てて、缶蹴りをするのです。
当時の電柱は、コンクリではなく「木」でしたから、まー、電柱にタッチする度に
手に棘が刺さったもんです。
さて、
「グリコ」という遊びをご存知でしょうか?
階段を舞台に、数人でじゃんけんをし、
グーで勝ったら「グ、リ、コ」と言いながら階段を3段登り、
チョキで勝ったら「チ、ヨ、コ、レ、イ、ト」と言いながら階段を6段登り、
パーで勝ったら「パ、イ、ナ、ツ、プ、ル」と言いながら階段を6段登り、
一番早く階段を登りきった人が勝ち、という遊びです。
先日、近所の階段坂から、子供の「グ~リ~コ!」の掛け声が聞こえてきました。
30年以上経っても、この遊びが子供の間に伝わっていることに
感動を覚えたのですが……
考えたらちょっとおかしい。
個々が「グ、リ、コ」と発しているならともかく、
参加者全員が「グ~リ~コ!」と掛け声を発するのは、どういうことだ?
どうも、「じゃんけんぽん!」の掛け声が、子供の間で伝わる内、
「グ~リ~コ!」に変化してしまったようです。
じゃあグーで勝ったときは、なんて発しながら階段を登るんでしょう……?
彼らに質問出来なかったことが悔やまれます。
不審者として通報されても困るので――