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    初めて内田稔さんを知ったのは、友達に誘われて行った
    映画館で見た「王立宇宙軍」というアニメーション映画。
    内田さんは宇宙軍の将軍の声をあててらっしゃいました。

    誘われたから行ったものの、今でも大好きな映画です。
    クライマックスの

    「――やってみるか」

    あのセリフに胸を熱くしたのは、僕だけではないはず。


    それから大分経ち……
    昴演劇学校の中間発表会でのこと。

    最終日に行われた、劇団員のワークショップ公演の
    バラシをお手伝いした縁で、劇団員の打ち上げに誘われ、
    そこでたまたま、内田さんの隣に座る幸運に恵まれたのでした。

    「僕は昴の創立メンバーなんですよ」

    ええ、ええ。そりゃあ知ってますとも!
    あなたはずっと、私の憧れの人でしたー!ヽ(*'A`)ノ

    ――なんて思えど、

    初対面の演劇学生にも気さくに話しかけて下さったのに
    緊張しまくって、自分からはなーんも話せませんでした。


    それから準劇団員になり、内田さん主演の劇団昴公演
    「嘆きの天使」に、自分もキャスティングされました。

    今は無き三百人劇場・第一稽古場での稽古を通じて、
    内田さんと日常会話が出来るくらいには緊張は和らぎました。(^_^;)

    しかし、

    芝居となると、

    話は別。

    芝居中の内田さんの迫力に飲まれ、
    いくら稽古を重ねても、全然息が吸えない、
    そして思うように声が出ない、体が動かない……。

    母が未だに言います。

    嘆きの天使の内田さんは素晴らしかった、
    あんたの緊張もすごかった。


    あれから丁度10年。

    今度の舞台「るつぼ~クルーシブル~」で、再び内田さんと
    共演する機会に恵まれました。

    僕の役は、内田さんの役とは対立する側の人間です。

    稽古中は、内田さんを睨みつけ、罵り、
    稽古時間外は、内田さんとお芝居の話をするという
    なんとも幸せな日々ですが、

    さて――

    今の僕は、舞台の上で、内田さんと対等に渡り合えて
    いるのでしょうか?

    その答えは、皆さんが劇場で。(笑)



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