――1978年の話。
自分がまだ小学校低学年の頃、親父が海外出張の帰りに
お土産にと、アメリカの家庭用ゲーム機を買ってきた。
日本ではまだ、家庭で遊べるテレビゲームと言ったら
パドルコントローラで遊ぶテニスゲームくらいしかなかった時代に、
ジョイスティックで自由自在に操作が出来て、
カセットの交換で、内容の異なる多種多様なゲームが遊べることは
衝撃以外の何者でもなかった。
ちなみにファミコンの発売は1983年。
ゲーム&ウォッチですら、1980年だったりする。
自分はたちまちクラスの人気者となり、連日、放課後になると
クラスメイトが我が家に大量に押しかけた。
思えば、初めて女の子がウチに遊びに来たのも、このときだ。
そんな、大変お世話になったゲーム機だったが、年月とともに
忘れ去られ、とうとうそのゲーム機の「名前」を知らぬまま、
親に処分されてしまった。
家族とそのゲーム機の話題を振り返るときも「アメリカのゲーム」
である。
さて、最近「ファミ通」が昔の家庭用ゲーム機を特集しており
自分も毎週、楽しく読ませてもらっていたところである。
ふと見ると、見まごうことなき、あの「アメリカのゲーム」機が
載っているではないか!
その名も「Atari 2600」。
――通称、Atari VCS。
なんと、かのアタリ社のゲーム機だったのだ。俺の親父すげえよ!
その後、飽きることなくひたすら遊んだ「Basketball」の画像も
ネットで見つけた。
何もかもみな懐かしくて、涙が出た。