昴演劇学校時代~準劇団員時代の恩師を2人、続けて亡くしました。
1人は松本永実子さん。
演劇学校時代に松本さんの指導で「ギリシャ悲劇」をやったことが
僕の俳優としての はじめの一歩 だったように思います。
その後も、ワークショップ公演で一緒に
テネシー・ウィリアムズや、
ニール・サイモンをやりましたね。
その時は目に見えた成長を見せられなくて、今更ちょっと後悔しています。
社会人あがりの自分は頭も体も固くて、お芝居で腕を上げる動作一つ出来なくて
そのとき「腕を動かすときは鎖骨の付け根を意識しなさい」と教えてくれましたね。
愚直にそれを頼りに鍛錬を続けて20年以上が経ちました。
その今だから、一つ言わせてください。
鎖骨の付け根よりも「僧帽筋の下部」を意識した方が、他の神経開発にもなるし、
舞台映えする動きになると思います!!!
反論があったら僕の夢枕に立ちに来てください。待ってます。
もう1人は中西由美さん。
劇団の創立から居られた方で、
岸田國士や、
森本薫、
シェイクスピアなど
それはもう沢山のワークショップ公演を一緒にやりました。
中西さんは『舞台の美学』をすごく大切にされていた方でした。
芝居の「し」の字も知らない演劇学生の自分らにも、何より先に『美学』を説くから
言ってることが全っっっ然、理解出来なくて…出来の悪い生徒ですみませんでした。
物を使って「こそあど」を表現するエクササイズは、今でも、俳優としての自分を支える
屋台骨の一つです。
本当に有難うございました。
プロの俳優として、お二人と一緒に仕事をすることは、とうとう ただの一度もなく
終わってしまいましたが、出来の悪かった自分は、意外に何とか続けてます。
お疲れ様でした。どうか安らかにお眠りくださいね。